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世界初のオールアジンナノリングの合成に成功 – 超分子材料やエネルギー貯蔵材料などへの応用に期待 –

当研究室のオールアジンナノリングの合成と機能開拓に関する論文がNature Communications誌に発表されました!

Cycloparaazine, a full-azine carbon nanoring
Till Drennhaus, Daiki Imoto, Elena S. Horst, Lena Lezius, Hiroki Shudo, Tomoki Kato, Klaus Bergander, Constantin G. Daniliuc, Dirk Leifert, Akiko Yagi, Armido Studer, Kenichiro Itami
Nature Commun. 2025, 16, 4643.
DOI: 10.1038/s41467-025-59934-5

当研究室らが世に送り出したシクロパラフェニレン (CPP) に代表されるカーボンナノリングは、様々な特異な性質を示し、光機能性材料やケミカルバイオロジーなど多方面での応用が行われています。一方、窒素原子を有する芳香環である「アジン類」は、窒素原子に由来した特異な性質を示すため医薬品を含む機能性分子に多く用いられており、アジン類のみから構成されるナノリングの合成も長く期待されていました。しかし、窒素原子に由来する配位や反応性の高さに起因した合成の困難さゆえに、オールアジンナノリングの合成はこれまで達成されていませんでした。今回、我々は、最先端のナノリング合成法と独自のオールアジンナノリング合成戦略を組み合わせることで、世界初のオールアジンナノリングの合成に成功しました。
オールアジンナノリングの性質を詳細に調査することによって、これの持つ特性が明らかになりました。特にCPPに比べて長波長側に吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを持もつことから、窒素原子の導入によりエネルギーギャップが縮小していることが示唆されました。また、オールアジンナノリングの合成戦略を応用することでベンゼン環とアジン環から構成される「部分アジンナノリング」を合成することにも成功し、窒素原子の配位特性を活かしたナノリングによる超分子構造の形成にも成功しました。さらに、その酸化還元特性や高い電気化学的安定性を活かして、アジンナノリングが可逆的な電子注入・放出能を有することも発見しました。新たなエネルギー貯蔵材料の創出につながる技術となることが期待されます。

イメージ図は名古屋大学ITbM高橋一誠講師により作成

窒素ドープされたカーボンナノチューブは、半導体デバイスとしての応用が期待されている物質です。アジンナノリング類はその部分構造と見なせることから、ナノチューブ合成の鋳型として用いることで構造が精密に規定された窒素ドープのカーボンナノチューブが創製できる可能性があります。アジンナノリングを用いた超分子構造の形成により、中空構造を有する新奇超分子チューブ材料の創製も期待されます。また、本研究で合成したアジンナノリングは可逆的な電子注入・放出能をもつことから、新たなエネルギー貯蔵材料の創出につながる技術となることも考えられます。

理研プレスリリース

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